とにかく暇だった。全部ドイツの大学への出願も終わり、他にも奨学金の申請などやれることはいくらでもあるけど、「やらなければいけない」ことがとにかく少なかった。正直、ライプツィヒに来てから語学学校かベルリンまたはウィーンにしか行ってなかったので、ライプツィヒ自体に友達自体が多くない。加えて、ライプツィヒで出会った良い人たちは皆、休みということで故郷に帰ってしまった。僕も日本に帰るという選択肢もあったが、8月上旬に母親がこちらに来る予定なので中途半端になってしまう。なので会う人がいない。なんとなく外に出ようかなと思う気にもならない。
ここ6年くらいで一番レベルの暇で、若干うつ状態に突入していた時に、チェコに住んでいる友達から連絡が来た。そしてその友達に泊めてもらえるということでプラハに行くことにしたのだ。でも日程的に4日後。暇な日はこれ以上あまり求めていない。どっか行きたいな。3時間後には次の日夜発のブダペスト行きのバスを予約して、couchsurfingでホストを探し当てたことにより、気分が楽になった。
てな感じでいつもと違う論調で描いてみたけど、うん嫌いではない。
要約すると、暇すぎて衝動的にチェコに行く前にブダペストに行ってきました。って話です。
でもなんでブタペスト?
ヨーロッパって本当に日本人が行きたいって思うような都市間の距離が近いです。飛行機もLCCの影響でむちゃくちゃ安い。ドイツの隣国からなら違うところに行く選択肢もありました。でもブダペストを選びました。ブタペストはハンガリーの首都なことは自明ですが、そこに行くと決めた理由は本当にしょーもないです。というかなんとなくっていう表現が非常に正しい。
・なんとなくチェコから近くて近所っていうイメージがあった。(実際は隣り合っていない、チェコとハンガリーの間にはスロバキアがる。地理の知識雑魚すぎ)
・かなり前ですが、好きなモデルでもある市川紗椰がアナザースカイに登場した時、(彼女はアメリカ生活が長いのにも関わらず)「ここが私のanother sky」の場所が、ブダペストだったんですよね。その時に彼女が、地下鉄の扉の締まり方というなんともまあマニアックなテーマについて熱く語ってたんですよ。それが非常に心に残っていました。その時なんとなく面白そうな場所だなあって思った記憶が強い。
こちらがanother skyの動画です。(消えていたら教えてください)
another sky – アナザースカイ 市川紗椰 von shuhei-saito
主に2番目の理由がメインです。笑 テレビでなんとなく美しい場所だろうなーというイメージだけを持っていました。
でも正直そこまで期待してませんでした。何でか分かりませんけど。
唯一楽しみだったのは、couchsurfingで見つけたホストです。彼のプロフィールにはフリーでUIデザインとか、プロダクトデザイン、デジタルアートプロジェクトのプロデュース、スタートアップのデザイン面での協力をやっている25歳と書いてあり、「僕がやりたいことをやっている人かもしれない!」という感覚を元に、リクエスト送ったらすんなり「いいよー」返事がきました。
すごく図々しいですが、フリーランスだからある程度時間に融通効くっぽいので色々ローカルな部分見せてくれるのかなとか期待していました。
ブダペストの第一印象

唯一行った観光名所的なところ
ブダペストの第一印象はまさに
「電車、臭くない。車内けっこう涼しい。難民らしい人あまりいない。」
です。
ベルリンの地下鉄とかライプツィヒのトラムなどは夏くそ暑いんですよ。ついでにウィーンの地下鉄はけっこう新しい見た目のくせに臭い。普通に臭いんです。
けどブダペストに降り立った最初の1吸いは、非常にクリアで若干甘みのある印象を受けました。(僕はかなり匂いと色見で物事を記憶するタイプの人間かもしれません。)
バスも電車もトラムもたくさん乗りましたが、特に臭い、くそ暑いということはなかったです。
ついでに、ドイツでは大量に見かける、アラビア語らしきものを扱ってる若者のグループも全然見かけません。あとで聞いたけど、ハンガリー政府が難民の受け入れをあまりしないように規制をかなり厳しくしているらしい。ただのぱっと見の印象です。特に深い意味はありません。
空気の面だけ見てもブダペストの第一印象は良かったです。
スタートアップ界隈も熱い。
けっこう初めの段階からホストの人とスタートアップとかデザインの話をけっこうして、ブダペストは案外スタートアップ界隈も熱い。ってことが分かりました。
例えば私も何度かプレゼンで使ったことのあるおしゃれなプレゼンアプリ「Prezi」はハンガリー発祥です。
実際に1日目に一緒にランチをとったホストの友達はそこで働いていて、若干オフィス見せてもらいました。さすがそれなりに成長したスタートアップって感じ。とりあえず見た目はアプリ同様美しかったです。
その後には、ホストの人が普段オフィスとして使っている、コワーキングスペースに行かせてもらいました。
すごーく素敵なスペースでフリーランスの人以外にも、1つスタートアップ会社が入っている感じです。みんなが一つの家族みたいな感じで、犬がいたり、赤ちゃんがいたり。。。こんなところで仕事できたらいいなあ。と思ったり。
彼(ホスト)は仕事があるので、その間は彼のロングボードを借りて市内を練り動き、あとで地元の人が集まるバーで落ち合うことに。
1人繋がるとどんどん繋がるやばさを再度知る
彼はそこでそれなりに有名な人で、友達をたくさん紹介してくれました。偶然couchsurfingで見つけた彼ですが、その彼の友達はけっこうやばい人ばかりで、
・IBMで働いている人
・Agoda(booking.comとかトリバゴのライバル会社)のエンジニア
・ビットコイン掘ってる人
・AIのスタートアップしてる人
・ただいま開催中の世界水泳in ブダペストで、メディア向けの音声部門の代表を勤めている人。
こんな感じで超面白くて、僕がこれからメディア&コンピュータサイエンスをドイツでやる予定。って言ったらすぐにいろんなこと教えてくれる人ばかりでした。
でも一番心に残っているのは、30歳のハンガリー人でハンガリー語も話せるけど、人生のほとんどをアメリカで過ごしている女性です。
彼女は端的にいうと、すごーくめんどくさくて、すごーくアメリカ的な、どエリートです。
簡単にまとめたツイートをシェアすると、いつもより多くの人に見られました。
何よりも強烈に印象残ってるのはガチエリートアメリカ人(30歳女性)にあったことだろう。
ハンガリー人の父親が超優秀でKGB(ソビエトの諜報機関)の一員としてアメリカで働いて、その時にできた子供らしく、生まれてすぐ捨てられたらしい。— coke (@color1one) July 22, 2017
けど頭脳が父親譲りで、MITでマスターまでやって、その後NASAで5年勤務、今はサンフランシスコのスタートアップのブダペストオフィス立ち上げをハンガリー語できるから任されるというね。
これだけで映画作れそうだわ— coke (@color1one) July 22, 2017
小さい頃の家庭環境の違いなどもあってか、すごく難しい人でした。でも賢いのは間違いないので、むちゃくちゃ話が面白かった。
あと、ブダペストの人たちが基本的にむちゃくちゃフレンドリーです。「他人の友達は友達」みたいな勢いがあります。僕自身、ホストの人と最初は2人で飲みに行ったのですが、結局最終的には川の堤防で10人くらいになって飲んでいました。笑
2日目も超ローカルなインディークラブに連れていってもらったけれどこれもまた最終的にはここにいる人ほとんどと話ました。
まとめ
まとめると、ブダペストは1人面白い人が繋がると次から次へと面白い人が繋がっていくところ。
正直、どこでもこの法則が成り立つと思いますが、ブダペストは人の人間性みたいなところがドイツ人とは全く違って、より短い時間でより深く入り込めると思いました。
ブダペスト物価もすごーく安いし、将来2ヶ月くらいインターンするのもありかなっと思ってみたり。
本当に、「いろいろが詰まっている場所」でした。
とりあえず、3日じゃ短すぎる滞在でした。(これは会うハンガリー人全員に言われた笑)ドイツからはバスで10時間ほどなので、また必ず来ようと思います。